第8話「激突! 女王VS女王!」

「うおおおおー!! 俺は中学生で眼鏡の女の子と結婚するー!!」
ヒーガンは雄たけびと共に空高く矢を放った!


眼前には迷宮第三層の中腹に鎮座するボスFOE、クイーンアントの姿。
「ヒーガンのサジタリウスの矢が強力なのはいいんだが…
いちいちあんなこと叫ばないと撃てないのか…?」
コロンはため息混じりにパーティの陣形を整える。
「中学生の女の子は犯罪だしねぇ…やっぱりオトコノコでしょ!」
ヒーガンに負けず劣らぬお馬鹿なことをいいながら、
カオルちゃんは医療防御1を展開する。


「前回は噛み付きに苦戦したはず…
ヘッドボンテ! クッ、ダメージはそこそこ入るけど、簡単には封じられてくれないわね」
「ステイシア! 防御低いんだから無理して前に出ないでねっ!
防御は万全だから…ヒーガンとコロンに序曲かけるよっ! 準備してっ!」


クイーンアントが暴れまくる! 前回も一撃でパーティを全滅に追い込んだ「女王の鉄槌」だ!


「あれ、全然ダメージ食らわないぞ、これ」
「医療防御1のお陰か…さすがスタッフ公認のバランス崩壊技ではあるな…!」
属性を付加した通常攻撃、サジタリウスの矢による連続攻撃により、
クイーンアントには着実にダメージを与えている。
しかし続々と増援が集まってくる…
「くう、こう数が多いと切りがないのう、
ヒーガン、女王アリに集中攻撃だ! 一気に蹴りをつけるぞ!」
「おう、分かったぜコロン! 行くぜサジタリウの矢!
うおー! 褐色パラもデコパラも好きなのになんでうちのパラディンはオヤジなんだー!」
「うるさい…歌に集中できないじゃないの…
次はステイシアに序曲を…って…」
「このっ! このっ! 封じられやがってんだこのウジ虫野郎がーッ!」
「ボンテのLv下がったからなかなか封じられないのね…って、ステちゃん、性格まで変わって…」
ヘッドボンテ成功! しかもそのターンのクイーンアントの行動は「かみくだき」!


「よし、運はこっちにあるぜ! やっちまおうぜ!
ニア はい
   いいえ

うーっし、オラオラオラオラー!!」
「なんかヒーガンがテレッテの真似してると、妙に似合うな…
っと、女王撃破だ! 残るはザコだけ!」
「ふー、なんか緊張の糸が切れちゃった…」
「ボク、早く帰ってシャワー浴びたい…」
「おい、カオルちゃん、医療防御忘れてる!」
「コロンも防御陣形忘れてるよ! …うわっ、ザコアリの攻撃がボスより痛い!」


こうして、女王よりもザコに全滅させられそうになりながらも、
なんとか3層の難所、クイーンアントを倒した一行。
13Fの素材で装備を充実させつつ、慎重に歩みを進めるのであった…


しかし
「あなたの優しい思い出を…」と
冒険者の魂に安らぎあれ」が未だにクリアできない。
気になるので意味もなく低階層をウロウロしてしまうヒーガンであった。