鬱病に効くロック

(タイトルのないアルバム)/(未発表トラック集)

The Byrds 「(タイトルのないアルバム)」


テンションのバキバキに高い、
フォークロックやカントリーロックを通り越してほとんどプログレになっている
ライブテイクもいいのだけど、
Disk1の後半とDisk2に入っている、ゆったりとして、それでいて諦観に満ち溢れている
スタジオテイクがいい。


ロジャー・マッギンの枯れていて、優しく、
そして胸に刺さるような声は、心が疲れてる時には、実に心地よいものだ。
同じ仏教系の宗教にハマったミュージシャンといえば、
ジョージ・ハリスンがいるが、
あっちがハレ・クリシュナだの、マイスィートロードだの
歌ってるのとは真逆に、(ジョージ・ハリスンは好きだし、70年代後半は色々苦労もしてるようだが)
ロジャーは諸行無常を地で行くような歌声とソングライティングだ。
愛聴しているアルバムではないが、
ふ、と聞きたくなって、思いに耽るにはいい一枚。


ニール・ヤング、バンド、ボブ・ディランなど、
この時代のアメリカの音楽は、優しくて、力強い。
好きな言葉じゃないが、癒してくれるというか、
元気付けられるような音楽だ。
同じフォーキーな音楽でも、ヨーロッパのバンド、
例えばピンクフロイドだとか、ビートルズだとかが、
飽くまでしっとりとした、女々しい質感を持っているのとは対照的だ。
そういう女々しい音楽がたまらなく聞きたくなる時もあるけど、
元気付けられたい時にはこのアルバムや、ニール・ヤング辺りをお勧めしたい。


しかし近い時代のアメリカのバンドでも、
ヴェルベッツやドアーズとかはかなり女々しい、というか、
ウェストコーストロックとは真逆のことをやっていて面白い。


と、リハビリ的に久々に音楽のレビューをやってみて、
自分の文章の下手さが嫌になって更に鬱になる悪循環よ。
ちくしょう、次はドアーズの1stでも聞いちゃうもんね。